武漢からの帰国者2名が検査拒否―感染症法・検疫法の政令施行は2月7日

206人が帰国

1月29日午前、中国・武漢市在留の日本人206人が、日本政府のチャーター機で羽田空港に到着しました。

チャーター機には医師や看護師ら医療チームが同乗し、機内で滞在期間や訪問先などの問診に加え、サーモグラフィーや体温計を使って発熱の有無など体調を確認。

発熱などの症状を訴えた者は、到着後、都内にある感染症の指定医療機関に搬送し、その他の者は国立国際医療センターで改めて医師の診察や検査を受ける手はずになっていました。

しかし、厚労省は、29日18時半すぎの会見で、「同意が得られなかった2人は検疫官が自宅まで送」ったこと明らかにしました。

感染症法の政令

政府は28日、新型コロナウイルスによる肺炎について、感染症法に基づく「指定感染症」検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定しましたが、施行は2月7日。

「指定感染症」は、国内で感染が確認された場合、法律に基づいて強制的な措置をとることができます。例えば、都道府県知事が患者に対して、感染症の対策が整った医療機関への入院を勧告し、従わない場合は強制的に入院させられるほか、患者が一定期間、仕事を休むよう指示できるようになります。

また、「検疫感染症」は、空港や港などの検疫所で、法律に基づいて検査や診察を指示できるようになり、従わない場合は、罰則を科すことができます。

施行が遅い?

「閣議決定後、速やかに施行すれば良かった」という意見はもっともですが、法律を見て分かる通り、大部分が都道府県知事に委ねられます( 保健所設置市は市長、特別区は区長 )。そこで、10日間の周知期間(準備期間)が設けられることは妥当でしょう。また、検疫法でも現場の運用基準の策定が必要となるでしょう。

SARS等の前例から、感染症法による統制が必要であることは早期に判断できたはずですから、閣議決定を早くすべきだったのではないでしょうか。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

第十六条の三 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第一号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。ただし、都道府県知事がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。
2 厚生労働大臣は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第一号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。ただし、厚生労働大臣がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第一号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。
4 厚生労働大臣は、第二項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第一号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。
5 都道府県知事は、第一項の規定による検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は第三項の規定による検体の採取の措置を実施する場合には、同時に、当該勧告を受け、又は当該措置を実施される者に対し、当該勧告をし、又は当該措置を実施する理由その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は検体の採取の措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
6 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該検体の提出若しくは採取の勧告又は検体の採取の措置の後相当の期間内に、当該勧告を受け、又は当該措置を実施された者に対し、同項の理由その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
7 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体について検査を実施しなければならない。
8 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
9 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体の一部の提出を求めることができる。
10 都道府県知事は、第一項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させ、又は第七項の規定により検体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣その他の必要な協力を求めることができる。
11 第五項及び第六項の規定は、厚生労働大臣が第二項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は第四項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させる場合について準用する。
(健康診断)
第十七条 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し当該感染症にかかっているかどうかに関する医師の健康診断を受け、又はその保護者に対し当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に健康診断を受けさせるべきことを勧告することができる
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者について、当該職員に健康診断を行わせることができる
(就業制限)
第十八条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。
3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第二項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該患者又は無症状病原体保有者の居住地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
6 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その通知をした内容について当該協議会に報告しなければならない。
(入院)
第十九条 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告をする場合には、当該勧告に係る患者又はその保護者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る患者を特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
4 第一項及び前項の規定に係る入院の期間は、七十二時間を超えてはならない。
5 都道府県知事は、緊急その他やむを得ない理由があるときは、第一項又は第三項の規定により入院している患者を、当該患者が入院している病院又は診療所以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
6 第一項又は第三項の規定に係る入院の期間と前項の規定に係る入院の期間とを合算した期間は、七十二時間を超えてはならない。
7 都道府県知事は、第一項の規定による勧告又は第三項の規定による入院の措置をしたときは、遅滞なく、当該患者が入院している病院又は診療所の所在地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会に報告しなければならない。



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